国際宇宙ステーションの(ISS)中で行われた壮大な実験、「重力の無い宇宙空間でもブーメランは戻ってくるのか」について、2008年3月18日に土井宇宙飛行士が成功したと報告した。ただしその映像は今まで秘められていたわけだが、ついに宇宙航空研究開発機構(JAXA)で公開された。戻ってきてます!
ビデオライブラリ – 宇宙ステーション・きぼう広報・情報センター – JAXA
ISSの通路部分「ハーモニー」で行われた実験映像では、土井さんの投げるブーメランが小さな弧を描いて見事に戻ってきています。ブーメランは基本的に空気を掻き分け回りながら浮く回転運動を続けているわけだが、そこに重力が関係しているのではという意見もあり、その結論は出ていなかった。今回の宇宙での実験により、空気の力を利用して戻ってくる事が実証されたワケですね。ちなみに宇宙とは船内なので、宇宙空間(空気なし)で戻ってくるか否かの実験を行ったわけではありません。報道やネットの情報を見ていると宇宙空間でも戻ってくる、というような説明が多かったので、もしや宇宙空間で実験して戻ってきたのかな、と思っていましたが、そうではなかった事が映像からも分かります。
ちなみに、このISSの中で飛んだブーメランは、ブーメランの世界チャンピオンである栂井靖弘さんが制作したものだそうです。ご自身のブログでこのブーメランについて語っています。
ドリームシャトルのポイントは2つ。
ほぼ日刊イトイ新聞 -ブーメランのあるくらし。
狭い空間でも飛ばせるように飛距離が短いことと、
ブーメランに慣れていない方でも、
簡単に戻せるよう工夫したのだ。
せっかく宇宙へ持って行っていただいても、
飛距離が長すぎて壁に当たったり、
うまく戻せなかったら意味がないですからね。
ってことで、15種類ほど作り、その中から選びました。
実は土井さんとお会いした時から、
ずっと形を考えていたので、構想1年の大作なのだ。
確かに狭い船内。もの凄く精度の高いブーメランでも大きな弧を描くモノでは検証出来ない。小さな弧で、かつ簡単に飛ばせるモノ作り。良い仕事しているな。さすが世界チャンプ。
さて、次は本当に宇宙空間で飛ばして欲しい。戻ってこないだろうから、スペアのブーメランたくさん持って挑戦してみて欲しいです。