古閑美保の逆転劇

2007年LPGAツアー最終戦、LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップではとんでもない逆転劇が待っていた。 初日から3日目までトップを独走した不動裕理は、3日目終了時点で2位の古閑美保に5打差をつけていた。しかもこの時不動は伊藤園レディス2日目18番からのノーボギーを維持し続け、なんと73ホール連続ノーボギーを達成中。宮里藍が持つ日本人記録77ホールまであと4と迫る抜群の安定感。賞金女王こそ逃したが女王の存在感を見せ付ける不動が崩れるなんて誰が想像しただろうか。古閑美保の国内メジャー初制覇は、本人曰くイケイケゴルフで不動を追い詰めた結果得られたものだ。おめでとうございます!

最終日のテレビ中継が開始された12番ホールの時点で既に古閑美保はイケイケ状態だった(笑)スタート時点での5打差を埋めて首位タイ。ドライバーはボールを置くべき所に置き、アプローチは乗せるべきところに止める。パッティングの距離感も素晴らしい。もともと綺麗なスイングをする人だとは思っていたが、当日はそこにスイングの安定感も加わっていた。フォローでのブレが殆ど無い。

今年の古閑美保は低調が続き、予選は通っているものの上位に食い込めず辛い時期が長かった。そんな古閑美保は5月から師匠清元登子に頼らず、自らの考えでスイング調整することを決意。その結果が10月のマスターズGCレディースで実り、今季初優勝。そして今季2勝目を公式戦で飾り、スイング改造からメンタルの成長まで目を違える成果となった。

日本記念日協会に今年から登録された関節痛の治療や予防を告知する日、11月13日(いいひざ)を代表する、健康で美しいひざを持つ「ひざ女王」として初代女王に古閑美保が選出されている。そんなひざクイーンは今年エンディングに素晴らしいプレーを魅せてくれた。賞金ランキングも今季最後の2勝でいきなりランキングを上げて4位。すごい。

古閑美保/-13 優勝のコメント
やっちゃった、どうしよう!3連続バーディ来た時に「いやーどうしよう」と思いました。自分の中でイケイケになるし、そういう時はポカをやるんですけど、 5番のティショットを打ってから冷静になることができました。不動さんとの5打差って、10打差くらいに感じるものなので、まさか追いつくとは思ってなかったので…。清元先生から「前半大きく伸ばしたときは後半ダメだ」と言われていたので、後半はボギーを叩かないことを心がけました。不動さんのダブルボギーはびっくりしました。私はバーディチャンスで「これを入れたら3打差だ」とかいろんなシチュエーションを考えてしまいました。18番が終わって、不動さんに「おめでとう」って言われたときは、呼吸がおかしくなっていて「大丈夫!?」って冷静に言われてしまいました。16番で完全に逆転して、17番から呼吸が整わなく、握力もおかしかったです。今回の優勝で3年のシードをもらえるので、米ツアー挑戦とかも少し考えます。全英も出られるんですよね。いろいろ考えなければならないことができてしまいました。全英は行くと思います。でも、セントアンドリュースに行きたかったんですよね…。

不動は思えば今季低調が続いた。試合後のコメントも、もうショックを感じ取れる言葉。今まで不動が初日からトップを維持したのに、最終日5打差を逆転された事なんて記憶が無い。仰るとおり厄年ですよ…。

不動裕理/-11 単独2位のコメント
なんか、今年1年最後までこのパターンが抜けきらなかったという思いです。パッティングもそうですけど、ツイてないというか、いいところに自分が打てなかったのも悪いという面もありますが、全体的にパッティングがちょっと弱めだったのが、この結果を招いたと思います。3番も16番も狙い場所にちょうど木があるので、あと1ヤードどちらかにずれていれば…。古閑さんにあのプレーをされたら、負けてもしょうがないなと思います。調子も良かったし17番、18番ではバーディチャンスについているのですが、少しずつ弱めだったし。まあ、実力がなかったんですね。もっともっと練習しろということだと思います。今週も女子オープンでも優勝はできなかったけど、3位との差はあるし、その微妙なところが何かは分からないです。私、今年厄年みたいだから、まあ頑張ったのかな~。12月は心の傷を癒します。来年のことはゆっくりと考えます。

5位に終わった上田桃子のプレーは堅実だった。表情は既に女王というか、落ち着いてプレーに集中している感じが好感。来期は2月14日の米ツアー開幕戦SBSオープンから始動する事が決まったそうで、アメリカツアーと日本ツアーを行き来する年になる。楽しみです。

上田桃子/-3 単独5位のコメント
今日ショットは良かったんですけど、パットが1日良くなかったですね。3番(1.5m)も入らなかったし、9番(2mイーグルパット)も決められなかったし、本当にパターが悪かったですね。すごく良い1年でしたけど、最後の最後に足りないものが見えたし、もっと練習しろということかと思いました。昨日、不動さんと回って、ショットの技術が多彩というか、私はまだ2つくらいしかないので…。来年、ここに帰ってきたときには同じ思いをしないようにしたいと思います。来年はまたチャレンジャーになると思うし、初めての経験というのがたくさんあると思うので。自分のゴルフができれば、米国でも日本でもまあいけると思うので、ゴルフ以外でもたくさん経験したいと思います。言葉であったり、友達であったり、全く違う国ですので。来年、帰ってきて(藍ちゃんみたいに)すぐに勝ちたいですね。日本ツアーは3勝が目標です。米ツアーの目標は、まず1勝です。

今年は上田桃子の躍進、横峯さくらのランク2位の活躍、古閑美保と諸見里しのぶ、飯島茜のメジャー奪取と世代交代感を浮き彫りにした年だった。来年はさらに若い年代である三塚優子や日本人初のプロテストトップ合格年でのシード獲得となった服部真夕たちの活躍も期待されている。また楽しみな一年になるんだろうな。

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