鉱山の掘削跡地を利用してデータセンターを建設するとか。まず初期ユーザ用の施設を450億円かけて構築し、2010年4月のサービス開始を予定。しかもコロケーションではなくユーティリティ型。久しぶりに豪快なデータセンターになりそうだ。
- 2007.11.14 サン、IIJ、ベリングポイントなど民間企業を中心に12団体が「地底空間トラステッド・エコ・データセンター・プロジェクト」を発足
- 地底空間にデータセンターを建設–サンやIIJ、ベリングポイントらがプロジェクト発足
- 地下100メートルにデータセンター サンなど12団体で
ニュースリリースの内容も興味深い。
本プロジェクトは、日本政府が推進する「ITリロケーション政策」や「環境政策」の理念を具現化するだけでなく、採算面を含め民間の事業として成立させることを前提に、次世代データセンターのあり方を提言し事業として実施するものです。
環境にも営利目的にも優しいデータセンター。素晴らしい。特に使った分だけ利用料を支払うモデルでデータセンター事業をこれだけ大規模な展開を行うのは興味深い。官公庁や教育に力を入れたいSUNの意気込みが伺えます。
本プロジェクトの特徴は以下の3点です。
1. 地球温暖化を最大限抑制するため、大幅な省電力化を実現していること
2. 軍事レベルのセキュリティ技術の採用や、データセンターの構築場所を地底空間とすることにより、世界
最高レベルの高セキュリティ環境を実現していること3. ユーザーがITについて「設備投資」をする事がなく、「使用した分だけ利用料を支払う」という新たなIT活用
モデル(ユーティリティコンピューティング)を実現していること
特徴も特徴的(笑)これらをどのように実現するのかというと、
【本プロジェクトの内容】
本プロジェクトが目指す、次世代データセンターの理想モデルのポイントは、以下のとおりです。
1.同等の処理性能を有する従来型データセンターと比較し、空調設備を含む全消費電力の50%削減を目指します。
1) サーバ機器での省電力化
・サンのCoolThreads(TM)テクノロジを採用、省電力で最大性能を発揮。
(一般的なCPUの約5倍の環境性能を実現)2) 省スペース化
・サンのコンテナ型エコ・データセンター「プロジェクト・ブラックボックス」を全面採用。1ラックあたりの
集積率を最大化し、省スペース化を実現。 (従来型データセンターの約1/8までスペースを削減)3) 空調設備の省電力化
・高効率性の水冷を採用し、必要な冷水には自然の地下水を使用。従来型データセンターの空冷に
よる空調設備では、IT機器1kwに対し空調用に0.7kwの電力が別途必要とされており、これを水冷に
することで0.4kwに削減可能。
さらに気温が冷涼で安定した地底空間にデータセンターを建設することにより、年間を通じ15度前後
の室温を確保するなど自然環境を活用することによって空調のための電力消費ゼロを目指します。4) 送電の効率化
・送電ロスを極力抑えるため発電所の近隣に地底空間データセンターを建設。また、内部での直流の
利用を促進することで、送電の効率化と発電した電力の有効活用を図ります。2.世界最高レベルのセキュリティを実現、信頼できるデータセンターを目指します。
1) 東京から地方にデータセンターを移し、防災上の安全対策を実施。
2) 地下100メートルの耐震性に優れた岩盤に建設することで、偵察衛星にも発見されず、地震などの
災害からデータセンターを守る高いセキュリティレベルを実現。3) ISO15408/EAL4+(B1)の認定を受けた高セキュリティレベルのオペレーティングシステム「Solaris(TM) 10」
を標準採用。3.ITによる地域産業振興に寄与します。
1) 地域振興策へ貢献(ITリロケーション)。
2) 産業遺産(鉱山掘削跡地)を再活用。
そして各社のミッションはこちら。
サンは、これまでに世界3カ所の自社データセンターのエコ・データセンター化を実現してきました。その技術を基に、次世代データセンターモデルとしてコンテナ型のエコ・データセンター「プロジェクト・ブラックボックス」を発表、本地底空間プロジェクトでは、この「プロジェクト・ブラックボックス」 30台の採用(第一期工事)を目標とし、現在調整作業を行っています。。「プロジェクト・ブラックボックス」については、下記URLを併せてご参照ください。
http://jp.sun.com/blackbox/introduction/
IIJは、通信事業者として数多くのデータセンターを立ち上げてきた実績を持ち、特に大企業や官公庁を中心としたミッショクリティカルなシステムやディザスタリカバリーサイトの運用において、高い技術と経験を有しています。今回、全国13カ所のデータセンター運用で培ってきたノウハウを活かしながら、次世代を見据えたデータセンターのコンセプトを提案し、設計構築のコンサルテーションから通信インフラの提供までを行います。
ベリングポイントは、米国政府においてブラックボックス・ソリューション導入支援の実績を有し、本プロジェクトにおいてもデータセンターサービス利用者および提供者にとって、最良の環境を提供すべく事業統合管理に係る支援を行います。さらに国内外での政策立案施策実行支援の経験を活かし、エコ・データセンターの構築・運用と、政府が推進するグリーンIT政策を始めとする環境政策との融合を図ります。
経過を見守りたいサービスが1つ増えました。