友好的買収とは言え、ついに買収される事になったBusiness Objects。68億ドルとの事です。OracleがEPM (Enterprise Performance Management / 全社的業績管理) 分野でのシェアを拡大する中、SAPもSAP BWの強化に乗り出したのだろう。
独SAPと仏Business Objectsは10月7日、SAPがBusiness Objectsを買収する提案を行ったと発表した。SAPは1株当たり42ユーロでの取引を提案し、買収金額は48億ユーロを若干上回る。 Business Objectsの取締役会はこの提案を承認しており、規制当局の認可を待って株主への推奨を行う予定。
今後はBI(Business Intelligence)が重要と言われ続けてはや数年。Business Objectsはこの分野の立ち上げから存在するようなBI分野の草分け企業としてその重要性を説いてきた企業。思想は面白くBIによる情報価値創出も高いと感じてはいたが、現在の情報活用のトレンドはBIを技術単独で活用させる流れにはならなかったという事か。今後はSAPモジュールの1機能として、NetWeaverに組み込まれていくのだろう。
さらに興味深いことに、今回の件でSAPはMicrosoftと衝突することが避けられなくなる。ひょっとして今回の買収はSAPがSharepointの市場を侵食することを意味するのだろうか。
さすがにMicrosoft Office SharePoint ServerとBusiness Objectsではさすがに守備範囲が異なるので侵食とかそういう議論にはならないだろうが(そもそもSharePointのBIはプレゼンテーション重視では?)、R/3の各種データと連携したソリューションに落とし込む事を考えているはず。
ビジネスインテリジェンスの分野は書籍も少ないから、同社が出版していたビジネスインテリジェンス―データを知識と利益に変える情報戦略は希少で読める本だったのに、こういう会社がまた1つ減っていくのは残念が気がする。
ビジネスインテリジェンス―データを知識と利益に変える情報戦略
- 作者: ベルナルドリオトー, Bernard Liautaud, 坂和敏, 日本ビジネスオブジェクツ
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2002/04
- メディア: 単行本